『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ』は、阪元裕吾監督によるオリジナルのドラマシリーズで、原作となる漫画や小説は存在しません。阪元監督が自身で脚本・演出を手掛け、2021年の映画『ベイビーわるきゅーれ』を皮切りに展開してきたこのシリーズは、アクションとコメディが絶妙にミックスされた独自の作品です。
今回のドラマ『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ』では、主人公たちの日常により焦点が当てられており、彼女たちが普段どのように「殺し屋」という職業と共存しているのかが描かれています。
この記事では、ドラマシリーズの見どころや、映画版との違いを深掘りしながら、完全オリジナル作品ならではの魅力について紹介していきます。
阪元裕吾監督が創り上げたオリジナル作品
『ベイビーわるきゅーれ』シリーズは、2021年に公開された映画が始まりです。この映画では、殺し屋としての一面を持つ若い女性2人が、それぞれの悩みや葛藤を抱えながら日常生活を送る姿が描かれました。
特に、キャラクターたちのコミカルなやり取りや、シリアスなアクションシーンとのギャップが話題となり、映画公開後すぐにカルト的な人気を集めました。
続編『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』は2023年に公開され、主人公たちの関係性や、彼女たちを取り巻く環境がさらに描かれることに。殺し屋という非日常的な職業でありながらも、友人や同僚との日常生活の中で成長していく姿が、観客に新たな感動と共感を呼びました。
オリジナル作品としての独自性
漫画や小説といった原作がなく、監督が脚本を手掛けたオリジナル作品であるため、物語は非常に自由度が高く、監督の世界観が色濃く反映されています。
阪元監督は、リアリティとフィクションのバランスを重視しながら、現代社会で生きる若者たちの悩みや葛藤を、殺し屋という一風変わった設定に重ねて表現しています。殺し屋としての技術を持つ一方で、日常生活の些細な問題に頭を悩ませる主人公たちの姿は、観客に親しみを感じさせ、現実の問題にも通じるテーマを多く含んでいます。
ドラマ『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ』の見どころ
2024年の秋に放送された『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ』は、シリーズ初の連続ドラマとして、映画版では描かれなかった日常生活にさらに焦点を当てた内容となっています。
主人公のちさと(高石あかり)とまひろ(伊澤彩織)は、殺し屋という非日常的な職業に従事しつつも、日常生活のさまざまな出来事と向き合います。
新たなエピソードでは、彼女たちの職業の裏に隠された人間関係や、ちょっとした悩みなどがコメディタッチで描かれ、視聴者に親しみやすさと笑いを提供しています。
ドラマで描かれる「日常と非日常のバランス」
『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ』では、主人公たちが殺し屋としての日常を送りながらも、家族や友人、同僚との関わりの中で生じる人間関係の複雑さが描かれています。
日常生活と仕事の狭間で葛藤し、時に自分の選択に疑問を抱くこともありつつ、仲間や周囲の支えを得ながら成長していく姿が魅力です。
特に、シェアハウスでの生活や新たな仲間との関係性がドラマに深みをもたらしており、映画版にはなかった「家庭的な一面」が垣間見える場面も、ドラマならではの楽しみとなっています。
キャラクターたちの成長と新たな人間関係
ドラマでは、主人公たちの新しい一面が多く描かれており、映画シリーズとはまた異なる視点で彼女たちのキャラクターが掘り下げられています。
彼女たちは殺し屋としての任務を遂行しつつも、シェアハウスでの共同生活や、新しい職場でのジョブローテーションを通じて、これまでにない人間関係に直面し、友情や自己成長のテーマが強調されています。
まひろが家族との再会を果たすエピソードや、シェアハウスに新たな同居人を迎えるエピソードなど、ドラマならではのエピソードが追加され、視聴者が主人公たちの生活や感情により近づけるような内容が盛り込まれています。
「自分らしく生きる」ことの難しさと大切さ
『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ』では、ちさとやまひろが殺し屋としての仕事と日常生活の間で自分らしさを見失わずに生きる姿が描かれています。
彼女たちは、非日常的な職業であるがゆえに、普通の人々とは異なる悩みや葛藤を抱えていますが、それでも自分の居場所を見つけようと努力する姿が視聴者に響きます。
自己探求のテーマがドラマ全体を通じて描かれ、現代社会における若者の「自己との向き合い方」や「他者との関わり方」を考えさせられる内容です。
映画とドラマの違いと両方の楽しみ方
映画版『ベイビーわるきゅーれ』シリーズとドラマ『エブリデイ』の大きな違いは、描かれるエピソードのスケール感です。映画ではアクションが主体であり、殺し屋としての緊張感あふれるシーンが多く描かれましたが、ドラマではより日常の細かな出来事に焦点を当て、キャラクターたちの個々の感情や人間関係が掘り下げられています。
そのため、映画とドラマを組み合わせて楽しむことで、主人公たちの仕事と日常生活の両面が立体的に浮かび上がり、彼女たちのキャラクターがさらに深みを増していくのです。
視聴者は、映画のスリリングなアクションを楽しみつつ、ドラマで彼女たちの身近な悩みや成長を見守ることで、より一層彼女たちに共感を覚えることができるでしょう。
まとめ:『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ』が伝えるメッセージ
『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ』は、ただのアクションコメディにとどまらず、人間関係や自己成長といったテーマを描いた作品です。阪元裕吾監督の手腕により、殺し屋という特異な職業を持つ主人公たちが、日常生活の中でどのように自己を見つけ、成長していくかが、親しみやすいコメディタッチで表現されています。
この作品は、殺し屋でありながらも等身大の悩みを抱え、自分らしさを探し続ける姿を通じて、視聴者に「自分の居場所を見つけることの大切さ」を訴えかけます。映画シリーズを楽しんだ方も、新たな視点で彼女たちの生活を知ることができるこのドラマ版は、必見です。
ぜひ、『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ』で描かれる彼女たちのユーモラスな日常とシリアスな葛藤に触れながら、殺し屋たちの“エブリデイ”を楽しんでみてください。
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